2013年5月2日木曜日

国際条約① ジュネーブ議定書・ジュネーブ条約

仲裁に関する多国間条約としては、1923年のジュネーブ議定書・1927年のジュネーブ条約がある。

ジュネーブ議定書(1923)は、仲裁に関する初の多国間条約である。仲裁条項の効力を国際的に承認することを目的として作成された。仲裁判断の承認・執行に関する規定を欠いていた。

これに対してジュネーブ条約(1927)は、ジュネーブ議定書の定める仲裁合意に基づく外国仲裁判断の執行を目的として作成された条約である。

ジュネーブ条約は、適用範囲や執行要件に制限が多く、実務の要請に十分に応えるものではなかった(適用対象となる仲裁判断の範囲が狭い、仲裁判断の確定を証明するため、執行国のみならず言渡国でも執行許可を得ることが実務上必要)。その不備を改善するため、1958年に国連においてニューヨーク条約が作成された。