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2013年8月2日金曜日

非署名者の問題①

今回から、仲裁契約の非署名者の問題について書いてみたいと思います。

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仲裁は当事者間の合意に基づく手続である。よって、基本的に、一般的な契約と同様、仲裁の当事者となるのは、仲裁合意に同意した者だけである。すなわち、仲裁合意に署名していない者に対しては仲裁を申し立てることが出来ないのが原則です。
しかしながら、例外的に、形式上仲裁合意の当事者となっていなくとも、仲裁当事者となり、仲裁契約に拘束される場合がある。


  1. 代理人(Agency)
  2. 法人格否認
  3. 企業グループ
  4. 包括承継(合併、企業結合) 
  5. 譲渡又は移転
  6. 禁反言
  7. 会社役員
  8. その他
1  Agency (代理人)

代理人が本人のために仲裁合意にサインした場合。


2 Alter Ego / Veil Piercing (法人格否認) 
第三者が他の法人の日々の活動を支配し、利用することによって不正を働くか、正義に反する結果となる場合、当該第三者が仲裁当事者となる。

3 Group of Companies (企業グループ)
  第者がグループ会社の一部であり、
 仲裁合意を含む契約にサインした関係会社からコントロールを受けているか、当該関係会社をコントロールしている、かつ
 当該契約の締結または履行に関与した
といった要件をすべて満たす場合、当該第3者も仲裁の当事者となる。

 
ただしこの法理については、法的根拠が明らかではない、当事者自治の原則(party autonomy)に反する、などの理由から反対する立場もある。


英国の裁判所は明確にGroup of Companies Doctrineは英国法上認められないとしている。

4 包括承継(合併、企業結合)

合併などにより第者が仲裁合意を含む契約の当事者となった場合。仲裁合意の非署名法人は、法定承継の方法で当事者になりうる。

5 譲渡・移転
 
6 Estoppel(禁反言の法理)
 

者が、仲裁合意を含む契約に基づく権利を主張したり利益を享受した場合に、仲裁合意の当事者であることを否定することは許されない。
 

特にコモンロー下で行われる仲裁において認められやすいが、大陸法でも認められないわけではない(権利濫用)。
 

7  会社役員

8  その他