1985年、国際連合国際商取引法委員会(UNCITRAL)は、国際商事仲裁に関するUNCITRALモデル法を 公布した 。 モデル法は、国際仲裁プロセスの支持している立法の代表例である。
モデル法は、各国に国内立法のモデルを提供するものであり、条約と違い、それを採用する国は、立法に際して適宜追加・削除ないし修正を行うことができる。
モデル法は 、国際的な仲裁に関連して国内の裁判所で起こる問題を包括的に扱う。外国仲裁判断の承認及び執行に関する規定を含む。
モデル法は、 商事仲裁のために予測可能な国際的な法的枠組みの開発に向けてニューヨーク条約を越えて重要な一歩を表している。ニューヨーク条約と同様に、 モデル法の有効性は、国内裁判所によるその解釈と適用時に最終的に依存している。しかし、モデル法は、条約の下での曖昧さや意見の相違点をはっきりさせ、直接該当する国内法を確立し、大幅かつより詳細に国際仲裁のための法的枠組みを規定するという点で、ニューヨーク条約を超えるものである。
モデル法は 、オーストラリア、バミューダ、ブルガリア、カナダ、キプロス、ドイツ、香港、メキシコ、ニュージーランド、ナイジェリア、ロシア、スコットランド、シンガポール、チュニジアなどで採用されてきた。また、カリフォルニア州、コネチカット州、オレゴン州、テキサスなど、米国のいくつかの州で採用されている。他の国がその採用を検討している。
日本の仲裁法の制定でもモデル法にならった。