有効な仲裁合意は、その当事者にとって重要な法的効果を生み出す。
積極的効果:仲裁合意に基づく紛争の仲裁に誠実に参加する義務
消極的効果:国内の裁判所又は類似のフォーラムにおける訴訟を追求しない義務
これらの法的効果の重要な側面は、それらを実施するためのメカニズムである。
仲裁合意の積極的効果
仲裁合意の最も基本的な効果は、紛争の仲裁に誠実に参加するよう当事者に義務づけることである。
当事者自治は、国際仲裁の本質的な特徴の一つである。したがって、この自律性は、仲裁される紛争、仲裁当事者、仲裁廷の構成、仲裁地の選択、仲裁手続そして適用法の選択にまで及ぶ。
仲裁による紛争解決に参加する積極的義務は、誠意を持って、協力して仲裁手続に参加する義務が含まれている。
当事者が仲裁に同意する場合には、黙示的に仲裁手続のこれらの側面のすべてにおいて協調的に参加することに同意する。
仲裁手続への協力的参加義務の正確な輪郭は決まっていない。義務は、仲裁廷の構成への参加、仲裁人への報酬支払い、手続的事項への協力、仲裁手続を妨げないこと、仲裁に係る守秘義務に従うこと及び開示要求その他の命令遵守を含むとされている。仲裁手続の他の側面と同様に、これらの義務は、当事者自治にのっとり、合意により変更されうる。